プロフィール
ABBEY THE DINGO!
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東京
Glam Rock / Power Pop / Rockabilly
ABBEY(W.BASS) TOMMY(G) AYAKA(Key) NUTTY(D)
あれは俺が二十歳だった頃、札付きのワルというレッテルを貼られ、街を歩けばみなが避けて通り、「尖ったナイフ」なんて呼ばれてた頃の話さ。その頃の俺が街に出る理由はたったひとつ。そう、喧嘩さ。女、子供をみつけては片っ端から殴っていき、ちょっとでも怖そうなやつがいれば、すかさず路地裏に隠れる。
そんな極道みたいな日々を送っていたある日、そうだなぁ、ありゃ冬だったかな。。。
いつものように俺は街に繰り出し、生意気そうな小学生からありったけの小遣いを巻き上げ、コンビニの前でファンタをたしなんでいた。すると目の前を、生意気そうに牛乳ビンの底みたいなメガネをかけ、日能研のバックを背中に背負いながら、参考書を読んでるカモを見つけたのさ。
おれは当然「オイ!ボーズ!有り金全部置いていくのと、今この場で血祭りにあげられんのと、お前に選ばせてやるよ。」と、いつもの決りゼリフをぶつけてやったのさ。するとそのガキンチョは顔色一つ変えずにこう言ったのさ。
「あなたに渡すお金など、一銭たりとも持っていません。また、血祭りの意味がわかりません。」フフ。今思い出しても生意気なガキだぜ。「アハハハハ!こりゃ大したタマだ!オイ!ボーズ!いい度胸しているところはかってやるよ。
でもこれ以上俺を怒らせると命の保証はできないぜ!?」「僕は宿題があるので失礼します」その頃の俺には仏の顔は1度きりさ。

「野郎上等じゃねーか!ぶっ殺してやろうかっ!!!」

俺は今まで何人もの小学生を血祭りに上げてきたその豪腕を振りかざし、生意気な小学生に向けて自慢のフラッシュピストンマッハパンチをお見舞いしようとした瞬間、後ろから俺の腕をわしづかみにして離さない奴がいた。
俺は力いっぱい振り払おうとしたが、そいつの握力はハンパなものじゃなかった。そしてそいつは自らの肩に手乗り文鳥を乗せたまま俺に一言こう言った。
「やめておけ。。。」と。。。

  俺は悟った。今までしてきた自分の悪事。喧嘩に明け暮れ、仲間達と自転車で暴走、スカートめくりに、お医者さんごっこと、ワルというワルは全てしてきて俺が、なぜだか涙が止まらなかった。
止めて欲しかったんだと思う。仲間のワルからも一目置かれ、本当に自分を理解してくれる人間なんていないもんだと思ってた。
誰も止めてくれなかったし、誰にも相談できなかった。
それが俺の生き様だと自分に言い聞かせ、何度もムチャを繰り返してきた。
やっと、俺を、やっとこの俺を止めてくれる奴が出てきてくれた。それだけがただただ嬉しかった。
振り返りざまに俺はそいつを一発殴り、そいつは俺を一発殴った。そしてそいつはささやくように俺にこうつぶやいた。

「なぁ、、、バンド、やんねーか?」

「バ、、、バンド?」

「あぁ、バンドさ」

「バンド、、、かぁ。。。」

俺は涙をぬぐい、顔を上げ、そして、「なぁっ!バンドって一体・・・、ん?あれ?どこいっちまったんだ?ま、いっか。ん~、バンドかぁ。。。あ、あいつ名前も告げずにどこいったんだ?ってか何者なんだろ?」

  俺は顔を上げた。雨が降ってきた。店の軒先で雨宿りをしていると、雨は一瞬で上がり、また青空が顔を出した。そこには飛行機雲で、青空のキャンパスいっぱいに「トミー」と書いてあった。

その後、俺達はバンドを組んだ。

え?ドラムかい?青い空というキャンパスに力いっぱい飛行機雲で「トミー」って字を描いてた天使、そうあの時トミーの肩に乗っていたのは手乗り文鳥ではなく「ヨッタン」だたのさ。その後彼が妖精だったということに気づくまでしばらくかかっちまったけどな。へへ。


これが俺達のバイオグラフィーさ。