如月　郁

＜１＞
空に　舞い落ちた君の身体は
痛みと悲しみで赤く染まって
瞼の中　確かに居るのに
ねぇ　名前を呼んでよ
君の声を忘れそうで怖いんだ
････････････････････････････････
あの夜　なぜ君の背中を
追いかけなかったのだろう
冷たい奴って思ったよね
きっと引き止めて欲しかったのに
･････････････････････････････････
寂しさを抱えた君の瞳が
最期に映した景色
何だったのだろう？

もしもう一度あの時間（とき）が戻るなら
大丈夫だよって抱きしめたい
そしてもう二度と失くしたくない
守りたいんだ　叶うのなら
･････････････････････････････････
＜２＞
ふわり　すり抜けた君の存在
涙と後悔で白く霞んで
写真の中　君は笑うのに
ねぇ　こっちにおいでよ
君の温度忘れそうで怖いんだ
･････････････････････････････････
あの夜　なぜ君の覚悟に
気づけなかったのだろう
空しいなって思ったよね
きっと助けて欲しかったのに
･････････････････････････････････
絶望が君の未来を閉ざして
ぬくもり煙に熔けて
君の顔　胸に刻む

もしもう一度その瞼開くなら
大丈夫だよって抱きしめたい
そして今度こそ大好きだって
伝えたいんだ　叶うのなら
･････････････････････････････････
もしもう一度あの笑顔に会えるなら
私の時間を空に還すよ
そして今度こそ独りにしない
一緒に居たい　それだけでいい


君がいない　その現実が
醒める夢だと　ひとり願った…