時雨のコロニイ
とある町の鄙びた小径
暖簾街の赤提灯の中
隣の親爺と五銭の話
あなたは語るの

原稿用紙と後ろ姿
追いかけていたあの頃が とても懐かしいわ

立て付けの悪い引き戸開けて
井戸水汲もうとする私に
あなたがそっと差し延べた手に
涙が溢れました

線香花火が灯していた
時雨時の今頃は 湿気って居るのでしょう

原稿用紙と後ろ姿
追いかけていたあの頃が とても懐かしいわ
とても懐かしいわ
とても懐かしいわ