THE ROMANCE JOE

実はトムのあごがここまで悪化したのにはもう一つの要因がある。




あごも少しばかりおかしくしたのだが、ここのところ喉の調子も良くないのだ。

咳がなかなか止まらない。

思ったように声が出てくれない。



ある日喉のトレーニング中にふと思い立ち、鏡で自分の喉を見てみたのである。鏡に向かって口をあーんと。



うむ、初めてまじまじと自分の喉を見たのである。

初めてみたので普通の状態がどんなものなのかはわからないが、見たところ喉ちんこを中心に喉の奥が赤くなっている。これが、喉が炎症している常態か。



なかなか新鮮な光景だったので、何かにとりつかれたように自分の喉を見つめてしまった。大口開けたまま、である。

そのときのトムの集中力たるや、他の人から見れば非常に気持ち悪い絵であったことだろう。



うむ、面白い。口をあけた状態で‘あーー’とか言うと、喉ちんこがプルプルプルプルってなる。声を出すとき、喉の奥はこんな風に動いているのか、と軽く感動した。



１０分間くらいそうしてしいたであろうか。

何十回目かの‘あーー’によるプルプル喉ちんこを眺めていた時、異変は起きた。



・・・・・・聞き覚えのある音が　 確かに 　 したのである。



リンパ体操の際に聞いた音だ。ノキャッ、とか、ヌキュッ、とかそんなんだ。

思わず、「おっ」って言ってしまった。

喉ちんこのプルプルも、一瞬その動きを止めた。




しばらくは、食事はおかゆ中心のものになりそうである。



皆様、喉ちんこ見たさにまねしないでくださいね。

変なことに集中するものではないのである。