Nov30
造語のススメ
2006年11月30日 ねっくん
さぁて前回「新語のススメ」なんてことを書きましたが、今回のターゲットは「造語」。
造語ってのは耳慣れない分「胡散臭い」あるいは「いい加減」な感じがします。また、受けてによっては「意味不明」だったりもする。つまり受けての語感が試される言語でもあります。
その言語に対してどんなイメージを感じるか、それが全て。
頭の中にある想像とか妄想とかいったものが形を成すのである。これは発信者にもよるが、詩とか歌詞なんかには結構多くでてくる。常用語であるとか既存の言語では表現しきれないモノを表現可能なのが「造語」である。
さーて昔の叙事詩人を挙げても共感が得られないので(笑)、ここは一つ、ロックに「ミッシェルガンエレファント」を例に挙げましょうw
スーツでガナリ声で恐い目をして唄うクールかつ情熱的なロック歌手、Vo.チバ氏。そうなんだが、彼のカリスマはそこだけではない。彼は歌詞に造語を多く使うことで一部の人達にかなり有名である。

「完璧なサイレンを鳴らす」「ビート爆弾」「まっかなクラクション」「機嫌の悪いパレード」「じゃりつくカウボーイ」「うさぎ畑」「裸の太陽」「ずれたキス」「冷めた月」「チカチカのパーティ」「転がるブギ」「サーカス色」「ピストルディスコ」「火を吹いたロマンス」「心臓に泣いた」

いくつか省略したがそれでも、一つのアルバム「カサノバスネイク」にこれだけ造語が入っている。さて、いくつの言語が「情景が浮かび」いくつの言語が「意味不明」だろうか。
他は伝わるんだが、いくら聞いても「うさぎ畑」は意味不明である。ナンだ?耳から下が土に埋まってんのか?
しかし、音としてメロディに非常にマッチしている。そして他の音を持つ言語では成立しない。
そう、「造語」には音が重要なのである。言語には発声・発音が存在する。

ドリカムの吉田氏が「メロディにはこれしかない!っていう歌詞が運命的に存在し、歌詞にもこれしかない!っていうメロディが運命的に存在する」と言っていた。『サンキュ。』を出した頃だっただろうか・・。
これは「言語」と「音」の関係であるが、「造語」は「音」のみのために存在するものもあるのである。

そらそうなんだわ。英語なんか全然わからんでも洋楽好きな奴いっぱいいるもんな。

これらの事は一体何を意味しているんだろうか?それは言語の既成概念に縛られた表現は「それだけ」である、という実験結果。
「心臓に泣いた」なんて言ってる日本人がいる。
詩とか歌詞とか、いや、日常会話においても正常な文法や形容方法なんてものは実は大した意味を持たないんじゃないか?

頻繁に起こる事象として「唄のうまい生粋の日本人の唄う英詩曲」をネイティブが聞いてクスクスと笑う。日本人は感動すらしているのに。「あそこの発音が赤ちゃん言葉なのよ」との事。ま、そんなもんである。文法無視でも泣けるのに、赤ちゃん発音だと笑われる。

「この曲売れてるけどここの英文法メチャクチャだよね?」
そんなこと言うのは野暮ってもんである。というか日本人が英文法どおりに詩を書くとエライ角ばった感じになる。

詩とか歌詞以外の例では「メンズ(MEN’Sではない)」「ポシャる」「テンパる」とかとか、まぁ挙げればキリがないw
でも、正式な言い回しより遥かに感覚が伝わるものがほとんどであるね。

言葉遊びの好きな俺は造語においても「事故る(ミスして状況が悪変する)」「仕上がってる(悪い方向に出来上がっている)」など一時期よく使用していておりましたとさ。
「アイツ今日かなり仕上がってんな~」とか。
発案は友人歌い手のK氏。
ちなみにそのK氏に言わせるとイクラちゃん(サザエさん)は「メンズ」らしい。

ところで、いつか聞いたんだけど「四六時中」ってサザン桑田氏の発明ってホントぅ?
「四六時中も好き~と言って~♪」
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