Oct11
パレード
2008年10月11日 成田どんぐり
【画像】
http://image.blog.livedoor.jp/donguri__/imgs/8/8/88d9e8e6.jpg

それは昨日の深夜三時頃だった。

僕はいつもの様に一人で焼酎を飲みながら音の消えたテレビをぼーっと観ていた。
突然、部屋のドアノブをガチャガチャし開閉を確認する音がした。一瞬、音が止まったと思うと今度は鍵を鍵穴に差し込む音。

入ってきたのは二人の男。なぜか無言、無表情。男達はそのまま部屋に上がりこみ、とりあえず一服つけた。一服を終えると、男Jは僕の朝ご飯用のパンを男Bに与え、シャワーを浴び始めた。Bはパンを食べながら少しの間ゴロゴロし、次に洗濯物をたたみ始めた。ちなみに時間にするとここまでで30分くらいか、誰一人、一言も言葉を発していない。部屋にはBがくちゃくちゃさせながらパンを食べるその音だけが響き渡っていた。

更に10分程経過し、シャワーを浴び終えたJが全裸のままくつろぎながら漫画を読み、Bはケータイゲームに夢中。
(そろそろ寝ようかな。)
僕は布団にもぐりこんだ。少し焼酎を飲み過ぎていたせいか、いつもはあまり寝つきの良くない僕も、ものの10分程度で眠りに落ちてしまっていた。ちなみに時間にするとここまでで50分くらいか、誰一人、一言も言葉を発していない。

ひどい喉の乾きで目覚めたのは5時半過ぎ。無音のテレビから流れる映像が、灯りの消えた部屋をうす気味悪く照らしている。それはまるでいつもと同じ、僕の日常だった。

今日、僕は信じている。昨日、僕が見た光景、あれは幻なんかじゃない。二人の妖精さんが、ただリアルを睨みつけるしかできないだけの僕に「のんびりいこうじゃありませんか」とゆうメッセージと供に起こしてくれた奇跡とゆう名のパレードだったんだ、と。

(いつかみんなの所にも二人の妖精さんが訪れますように。そして僕の部屋の合鍵、いったいどれくらいの数が出回っているんだろう。)
そんな事を思いながら僕はまた布団に潜り込んだ
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