正しいひと
ビルの隙間を縫って泳ぐ
ふたりだけで泳ぐ

ヒーローにはなれないと君は呟いた
誰にともなくそう言った

特別な力がある訳じゃないし
誰にでも優しくできる訳でもない

美しいひと君はいつも
大切なことは隠したまま


夜明け前の街に
染み込んで消えた
音も立てずに
思い出せずに


星が光るから
僕はそれを見てた