風ばかり(new!)
春がすぎ 夏がすぎ 秋がすぎ
冬がすぎ またひとり 杉の戸を
あけてゆく人を見送った

花がちり 鳥がちり 雲がちり
風ばかり 風ばかり あきもせず
来るひとも去るひとも
暦のかずの風あらし
今日も明日もひとならし
風は吹き私はとどまる

風の音のなかに
祈りをかくしていたって
だれの気もゆるがすことはない
ひとつ言の葉が舞うだけ

風の音のなかに
叫びをかくしていたって
だれの木もゆるがすことはない
ひとつ言の葉が舞うだけ