君と見た空
きらめく ざわめく 街は踊る
昇る泡が弾けた
伸ばす 繋ぐ 汗が落ちる
君の鼻緒 濡らした

ゆらゆら 水面に咲く花火のような その横顔に
触れることが出来たなら なんて
こんな気持ちのままじゃ

声を 時間を 夜の闇を
劈くような産声に
見惚れる君のその姿に
僕は目を逸らせずに

ゆらゆら 水面に咲く花火のような その横顔の
その永遠の一瞬だけは 誰にも触れさせない

少し湿った風も 子供らの跳ねる下駄の音も
解ける氷の寂しさも 今は忘れていられた

花火のようなその横顔は 遠い泡沫の花

少し湿った肌も 子供らを誘う笛の音も
解ける恋の切なさも 夏の陽炎も

遠ざかる喧騒も 重ねた時間の儚さも
流るる川のせせらぎも 君と見たあの空も
この両手で掬えたら

#257 「君と見た空-Two of us in summer-」 2017.7.7