キャンバス
遠くで遊んでる子供の声が聴こえて
君が笑う 窓の横で髪の先が陽に透けて光る
時間がこぼれる 弾かれたように走り出した
やがて僕は辿り着いた どこか冷たいビルの屋上へ

街は燃えるような夕焼け 胸まで焦がれて
君はフェンスの向こう側で泣いていたの?

いつも見てた
その横顔さえ霞んでしまうよ
ずっと描いていた世界から
待ち焦がれているよ

海が聴こえる 喧騒をすり抜けてここへ来た
余白埋めるわけでもなく 君のこと好きな絵画と重ね

優しく手招くような夕波 やがて凪が来て
捨てるほどあった記憶を散りばめるよ

きっと僕にはわからない 本当のこと
でも夜は訪れて 瞬き始めて

遠ざかる影と 戸惑う声は
点描になって
街の隅に溶けていく
思い出も からっぽのまま

いつも見てた
その横顔さえ霞んでしまうよ
ずっと描いていた世界から
待ち焦がれている・・・

よそう!
君を好きな絵画と重ね立ち止まること
でも 
いまでも遠くから聴こえる
子供の声だけは