ピエロ
世界がもし交差しないように出来ていたとしたら、人と人が出会うことなんて有り得ないんだろう。五線紙の上にオタマジャクシを並べられもしないし、まして僕のギターと声が重なりもしないんだろう。「空の星を掴んでくれ」と頼まれたところで、生憎と僕はパントマイム、ただの道化さ。いつだって僕だって気付いてないと言って、君だってそうやって分かんないフリしちゃってさ。ほらもっとずっともっと、ギターをかき鳴らせ、今だってステージの上で踊っているピエロ。
 世界がもし本当に一つになったら創造性は無くなるだろう。ゴッホの色彩やロックンロールなんかも生まれなかったんだろう。どんな悲しい思いをしても寂しくなっても、ピエロは涙を流せない。今だってほら。いつだって僕だって気付いてないと言って、君だってそうやって分かんないフリしちゃってさ。ほらもっとずっともっとギターをかき鳴らせ、今だってステージの上で踊っているピエロ。
 笑われるのも一人ぼっちも、昔からだし慣れてると思ってた。僕のために僕の代わりに泣くのはよしてよ。生憎と僕はパントマイム。
 いつだって僕だって気付いてないと言って、君だってそうやって分かんないフリしちゃってさ。ほらもっとずっともっとギターをかき鳴らせ、今だってステージの上で踊っているピエロ。いつだって僕だって……。分かんないフリしちゃってさ。ほらもっとずっともっとギターをかき鳴らせ、今だってステージの上で踊っているピエロ。