三月の雨
空がもうすぐ赤いよ
うすもやの中 手を見る
街の底に
三月の雨がふる

冷たくひえた部屋には
冬の名残りのにおいと
影を洗う
三月の雨がふる

悲しみの面影に寄り添えば ひとり

かかる夕陽の先には
春の希望のまぶしさ
街の底に
三月の雨がふる

窓の外 口笛に うたた寝の ひとり
悲しみの面影に寄り添えば ひとり