言葉(コトノハ)
ずっと一緒に暮らしてきた部屋
床一面散らばる あなたの投げた言葉(コトノハ)

あんなに胸の真ん中に響いた声が
もうあたしに届かない 気疎い日曜の午後

 なぜ『好きな人が出来たのよ』って言葉にも
 あなたは動じない?

ゆうべは 一人きりで 映画見たのね
ビールの空き缶の影がひとつ 月曜の朝

 なぜKISSもHUGも出来ない距離に居るのに
 あたしを愛せるの?


  ずっと愛していたかった
  笑いあっていたかった
  眠ったフリのあたしの背中にそっと触れた手
  愛してるって云わないで
  もうあなたを 愛せない…


少し開けた車の窓 タバコの煙と
一緒に舞い飛んでいく あなたの言葉(コトノハ)

 なぜあなただけに 微笑んでいた その時に
 気付いてくれなかったの?


  ずっと愛していたかった
  手と手を繋いでいたかった
  最初に背中を向けて眠ったのは あなたでしょう?
  『今さら』って云わせないで
  もうあなたを 愛せない…


  ずっと愛していたかった
  一緒に生きていたかった
  写真立ての中 未来も知らずに 二人が笑ってる
  愛してるって云わないで
  もうあなたを 愛せない…


 ずっと一緒に暮らしてきた部屋
 床一面散らばる あなたの投げた言葉(コトノハ)…