ぼくのわすれもの
「ぼくのわすれもの」

小さい頃はいつでもヒーローになって
悪い事は「わるいよ」ってちゃんと言えてた
両手で数えるくらいの年齢になって
「セイギナンテダサイヨ」ってみんなに言われた

いつの間にかまわりに流されて
生まれた場所もわからなくなって
まるで悪に憑かれたような僕が
産声をあげる!

喚いて泣き叫んで本当の自分を
知ってほしいけどもう間に合わない
君を傷つけたこと
すぐに謝ろうとしたこと
声に出さずに訴えたって
意味がないってわかっている

下校途中の道では先頭をきって
「夢はいつか叶うよ」ってみんなに語ってた

お酒が飲めるくらいの年齢になって
「ユメハユメデシカナイヨ」ってみんな笑ってた

いつの間にかまわりに置いてかれ
夢が何かもわからなくなって
生きることに疲れたような僕が
産声をあげる!

走って手を延ばしてあの頃の自分を
連れ戻したいけどもう間に合わない
僕がなくしたもの
本当はわざと落としたもの
探すフリだけしていたって
見つからないってわかってる

喚いて泣き叫んで格好悪い自分を
知ってもらうのは恥ずかしいことじゃない
僕が忘れたもの
僕が僕であるということ
声に出して歌うよ
意味が無くったって
怖がることなんてないって
ことも全てわかっている