落莫 -rakubaku-

浮かび逝く 景色すら 視界にも留まらぬ侭
妖し紫 虚ろに咲く花

見開いた瞳孔が映す 絡まり逝く記憶の螺旋
手を伸ばす術すら知らずに 成される侭引き擦られ

私は 逆様に落とされ 糸伝う蜘蛛の様
私は 逝く宛てを無くして 落ちる場所さえも亡くした

花は枯れ 崩れ落ちた 弔いの灰が舞う

最期の声を聞いたのか?
最期の息も絶えたのか?