銃とバースデイ
浮かんでまた沈む。
固まってまた溶けた。
「戦う準備は出来たのか?」
上から人が言う。

大きめ戦闘服、強く見せる為だって
音が響く時、砂埃の間まで必要とされたから従うだけだ。

開いた目の前の鉛色景色が
君にもっと尽くせたって思わせるんだ。

君の誕生日を戦場で。
引き金引いて祈るんだ。
そんな未来に何がある。君の未来に僕はいない。

一歩一歩また進む。一歩一歩遠ざけて。
奪って祈ってまた進む。
君に逢いたくなるけど。

一緒じゃない未来なら勝ちたい奴にくれてやる。
君を傷付けに来る奴ならば、今撃たなくちゃ。
引き金に乗った指の隙間、生命がこぼれてく。

開いた目の前の鉛色景色が
君にもっと尽くせたって思わせるんだ。

君の為なら戦場で誰かに勝って祈るんだ。
けど彼もきっと誰かの 大切な人なんだろう。
引き金は引けない僕じゃ、誰も守れやしないな。
君の誕生日を戦場で。
祝って祈って果てるんだ。