Oct18
ただ古くさく ただ四角い顔よ
2015年10月18日 松本
 ひさしぶりの投稿です。前回が二月のものということはずいぶんと空けてしまったものです。
 自身の生活環境がすこしかわったこと、いぬさふらんばかりやっていたことが原因で、個人としてめぼしいものをつくれなかったんですね。
 その間もこのページに指をめぐらせてくれた人がいたことはたいへんうれしいことです。

 とはいえ今回もいぬさふらんの活動についてですが、
 はい、このページに“さよならの歌”という曲をのせています。
 この曲はいぬさふらんの新曲用デモなのでした。七月くらいに披露する予定だったわけですから、ずいぶん先延ばしになっていますね。
 主に詞ができなかったからなのですが、臨時で小生が詞を書くことでなんとか、十一月には披露できそうなところにまできています。
 ええ歌はミスマイナスイオン南が担当しますのでご安心くだされ(笑)

 こんな風に詞を書くのは異例ですが、南さんがタイトルの“さよなら”ということばにひっぱられて少しスランプにおちいってしまったからしかたない。
 もともと仮題を“さよならの歌”としたのはサビのメロディが“さよなら”のかたちをしていたからそうしただけで、特段こだわりがあったわけではありません。テーマを決めるときはだいたいこんな感じなんですね。
 わたしは擬古主義者というか凝固主義者というか、四角くて古くさい人間なもので、ことばとメロディが同じアクセントで結びついていないと気になってしまう。
 たとえば「虹」ということばでもニ↑ジというアクセントだともう「二時」にしか聞こえないという風で…
 ただこの感覚に鋭くなっていないと自分に歌もの音楽をやっている意味はないので、時には「固」という字さながら、嫌われながらやっていこうと思っとります。

 では“さよならの歌”、“空をわたる月によせて”という題の詞になりました。
 おのずといぬさふらんクラシックになる曲でしょう。

空をわたる月によせて

花を手折るあなたはどうしてる?
腰をおるでしょう
ためらいはそんなとき 頬にかざす
髪にふれるとき

あなたはまだちいさくて 目のさきに
花はおどっていた
でもわかってしまうの もがれる痛みや
枯れるほか道がないこと

月の下のあなたはどうしてた?
ただなやましく
今日と明日のつながり とりとめなく
眠るふりをした

あなたはもう落ち着いて 青い闇に
あきらめたりする
でもわかっていたでしょう とけない悔みは
夜空を

渡るよ 月とともに
今宵も 姿をかえて
さよなら 告げられずわかれて
束になった思いの端

同じ高さのふたり 見つめ合っていた
枯れることも知らず ただおろかしく ただ美しい日々よ

さよなら あの日の花
さよなら あの日のあなた
さよなら あの束をばらまいて
あなたは今日も眠る

さよなら もうそれは届かず
今宵も月は空をわたる
さよなら それはもう消えずに
あなたは明日も生きる

そう すこしづつゆるしながら
あなたは明日も眠る
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