Aug19
土と炎
2013年8月19日 松本
 今回もバンド曲の詞です。題は「土と炎」というもの。曲はI君がほとんど書いたものに小生がメロディと詞を書きくわえた形になりました。
 「土と炎」というのは故郷の地元ネタでして…、“土と炎 多治見”とでも画像検索すると出てくる、あの看板のことです。共作者のI君も故郷を同じくしているしちょうどいいかなあ、と。
 この詞の意図というのは、丘の上に何十年も居直ってにらみを利かせている看板を故郷のお山の大将に見做して、現代のSNS的な人間関係と対比させてみよう、といったものです。

 バンドものの詞は、メンバーそれぞれに思想があることですし、批評めいたことばは使わないようにしていましたが、少しルールをやぶってしまったかも知れない(笑)
 ただあえて危ない情熱をそそぐことでバンド演奏自体も熱くなれば、なんて都合のいいことを考えていますが、さてどうでしょうか。

 「土と炎」

 僕たちの誉れは 泥土にまみれて
 炎をくぐりぬけた 赤茶けた色のヒーロー
 丘の上に立って 春の花を統べる
 畏れや憧れを浴びても まだ足りぬといった

 彼は振り返らない 先も見通さない
 目の前の喜び 哀しみを殴ってまわる
 「この丘をはなれたら」 思えばたやすいこと
 それでも僕たちは羊のよう うずくまるばかり

 土と炎のヒーロー 時の網はやぶれ
 成すすべ ないまま なおも丘の上

 彼を頂く丘 今じゃ人気はなく
 綿と散った僕ら 思い思いの地に根づく
 つながりは横の糸 ぬるい風にゆらぐ
 濾過して取り出した幸せ 認め合って生きる

 土と炎のヒーロー 時の網のなかで
 S.N.S. 成し得ずに なおも丘の上
 土と炎のヒーロー 時の網のそとで
 S.O.S. さけぼうと なおも丘の上

 それがどうした 我らがヒーロー
 そんな世間は くそくらえだろ
 輝けるとき 春の花たち
 君のものだった
 それにすがるのを なぜ恥じるのか
 絶対なもの ゆるがないから
 どうかヒーロー その威容を
 またみせてくれ
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