Jan28
夢と希望と現実と牛さんのツボ
2010年1月28日 若松ゆーた
あるところに、一頭の牛がいました。
見たところ何の違和感もない、その他の牛と同じ牛でした。

しかし、彼の内面とゆうか、感性とゆうか、こだわりとゆうかは、他の牛達とは大きく異なるものでした。
泣き声は、普通に「モー」でした。


ある日のこと・・・
1人の小学3年の男子”東西原 純平”くんは、
学校帰りにいつもとは違うルートで帰路へつき、たまたまその牛のいる牛小屋を通りすがりました。

牛小屋を通り過ぎ、17歩くらい歩いた時、純平は今日の国語の授業の時、先生が言ってた言葉を思い出しました。

「みんな、いいですかー!
牛は赤い色を見ると興奮しますよー!」

・・・牛・・・赤い色・・・興奮・・・・


純平は、足早に17歩戻り赤白帽を全面赤にシフトチェンジし、手に持ち、牛の前で大きくはばたかせました。

すると・・・
牛達は、待ってました!とばかりに、興奮しだし暴れだしました。
それを見て、純平も興奮してました。
母親が見たら心配するだろうな・・・くらいの興奮っぷりでした。

純平が、少し飽き始めてきて帰ろうとした時、一頭だけまるで無反応な牛がいる事に純平は気付きました。

その牛の反応たるや、まさに”あくび”でした。
または、”暇”でした。
大学に行ってない人がイメージする、”普通の大学に通う大学生”みたいな雰囲気でした。


どうやら、その牛の”赤”のツボは、ピンクめいてる”赤”で、そんじゃそこらの”赤”では興奮できないタチみたいでした。
牛の彼曰く、真冬の夕暮れ時の空の色が一番グッとくる色なんだそうです。


純平は社会の厳しさを知り、肩を落とし帰路へついたとさ。
めでたし、めでたし。
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