May23
お知らせ。
2007年5月23日
 休日のとあるショッピングモール、真っ昼間の家族連れやカップルや若者のグループやらがごった返す中にて、次の様なアナウンスが実際流れた。

 「お客様に、迷子のお知らせがございます。仙台市泉区からお越しの『まひがし ゆうた』くん、自由業32さいです。身長は173cm体重は110kgで、黒の伸びきった5LのTシャツに、グリーンのこれまた5Lのカーゴパンツをお召しで、髪は短髪で、頭頂部がハゲかけているにも関わらず茶髪に染められており、所持金はございません。本人は世界はこんなにも広いのに、自分は一体全体どこへ行けばいいか、まったく分からなくなってしまったそうです。少しお腹も空いてきた、『すき家』並盛りを3杯食べたい、ともおっしゃっております。どなたかお心の広い方は、至急迷子センターまでお越し下さい。繰り返します、、、、、。」

 大の大人が迷子になった。笑い事ではない。真剣にである。子供の迷子は主に、今の自分の現在地を見失ってしまう事だが、大人は違う。目的地を見失うのだ、今の自分の現在地に関しては嫌になるほど分かりきってるにも関わらず、どこへ行けばいいのか分からない。こんなにもムゴい事は無い。そして、世の中というものは彼らに対しては恐ろしい程冷たい。子供の迷子は見つかって怒られて済む話だが、大人の迷子は誰も見つけてはくれない。したがって、怒られもしない。ただ口をあけてポツンといつまでも突っ立っているだけである。

 理性的に当然の結果だが、いくら待ってみても、誰も彼を迎えにくるものはいなかった。めでたし、めでたし。
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