Sep5
夜、渋谷で
2007年9月05日 yamamichi
一人暮らしを始めた。

本当に身近な人間にしか話してないんだけど、とりあえず世田谷区民になっている。
実家暮らしのほうがいいのは間違いないのだけど、自分で家の様々なことをコントロールするのはとても面白い。
昨日は電気代の請求が来た。



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雨が上がってじめじめしている。
湿気が多くていやになるが、傘をさす必要がないからそれでも幸せなのかな。

引っ越してからこの方会社帰りは必ず渋谷から30分掛けて家まで歩いている。
そんな湿気の多い今日も、汗まみれになって家まで歩くのだ。


iPodをランダムに再生させ、PlaceboがFollow The Cops Back Homeを歌うときそれは起こった。


「ペラペーラペラペラ、ペ?」
(ねえ、写真を撮ってくれない?)

突如、見た感じ完璧に日本人である男性が立ちはだかり、俺に何かをしゃべりかける。
お洒落なバーがある神泉のこの辺りは良く外国人がいる。が、6人組みの観光客に写真を撮ってくれといわれたのは初めてだった。

都民となった俺は最早英語を突然話しかけられるくらいでは驚かない。
俺はげっついスマートに

「OK」
(いいぜ)

と答え、俺はなぜか2本持っているビニール傘を足に挟んでカメラを受け取った。すると、

「ペラペーラ」
(私のもお願い)

と、後ろのほうで酔っ払って真っ赤になった女性も俺にカメラを渡してきた。
それを受け取ろうとした俺の足元から倒れるビニール傘2本。
それをすっと支える始めに話しかけてきた日本人ぽい男性。
それに対し、俺は

「Thank You」
(サンキュー)

と答える。

俺はその時仕事帰りで疲れていて、iPodは暗い曲を流していた。
知り合いの方は分かると思うが、普段俺は基本的にテンションが低い。
しかし、珍しくその時の俺は異様にテンションが上がっていた。
その為いやに大げさに発声するものだから自分でも信じられないくらい綺麗な発音で”Thank you”と言えた。

「ペラペーラ、ペラ?」
(英語しゃべれるんだ?)

「Well,A little bit」
(ま、少しはな)

「ペラ!ペラペーペラペラ、じゃぱにーずペラペラ」
(よかった!僕が写真を頼むとみんな日本語で答えるんだよ)
「ペペラペーじゃぱにーずペペペペラペラ、ちゃいにーずペラペラ」
(多分僕が日本人に見えるからだろうけど、本当はチャイニーズなんだよ)

「マジか」
(マジか)
→突然たくさん話しかけられたからテンパって日本語で返した。

追い詰められた俺になんか色々話しかけていたが、最早それはノイズである。
俺はカメラを構えて、さて、撮るぜってなんていうかな、などと必死に意識下でトランスレイションを開始していた。

「ペラ!ペラペラ!」
(ほら、とるからこっちにきて!)

と、都合よくそこでもう一人いた女性の鋭い声。
彼は手を上げながら輪の中に入る。

「Ready?」
(いいかい?)

そういってカメラを構える俺。
そこで動作が止まる。

…しまった。こういうときなんて言えばいいんだ??
あれ?3,2,1とかでいいのか?Readyってさっき言っちゃったしな。
On Your Markとかって違うよな…。
やべえわかんねぇ…。

そこで俺演算機の英語用アプリケーション(中学生版)が完全にフリーズする。
恐らく時間は殆どたっていないのだろうけど、間ができたことは間違いない。
とっさに、

「これはスマートじゃない」

と判断した俺は、深夜の神泉において絶叫した。




「はい!!」




「ちーーーーず!!!」





何故か彼らにそれがウケ、面子はどうやら保てたらしい。
2つ目は大笑いしているところをとってやったので、まあ写真としてはいい感じに撮れたのではないだろうか。

カメラを渡して別れ際、

「ペラペペペペペ!」
(なんだ今のは!)

「ペーペラペペペララ!」
(きっと黒魔術よ!)

「ペペーーラペペペラ!」
(クレイジーな日本人だぜ!)


とか話していた気がするが、最早それもノイズである。もしくは俺の被害妄想。

「Bye」
(あばよ)

俺はそう言ってそそくさとその場を立ち去った。



アーバンな人間になるには、俺にはまだ足りていない要素があるようだ。




yamamichi@実際の出来事ですが、会話は多分に想像を含みます。
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